昨年スコットランド・ファイフに設立され、2029年にシングルモルトウイスキーのリリースを目指すインチディアニー蒸溜所(InchDairnie Distillery)が、今月1日にモルテッド・ライ56%とモルテッド・バーレイ44%のマッシュを使用した蒸溜を行ったと発表した。
この原酒はヴァージンアメリカンオークカスクで熟成の後、ライ・ウイスキーとして(スコッチ・ウイスキーの区分上はシングルグレーンウイスキーとして)発売される予定で、これが同蒸溜所からの初のリリースになるということだ。
また、同じ週にアイラ島のブルックラディ蒸溜所でもライ麦を使用した蒸留が行われた。
こちらはモルティングを行なっていないライ麦55%とモルテッド・バーレイ45%のマッシュから蒸溜され、熟成にはヴァージンアメリカンオークカスクとファーストフィルバーボンバレルに加え、少量のヴァージンフレンチオークカスクも使用される。
スコットランドではライ麦を使用した商業レベルでの蒸溜は、連続式蒸溜器では100年以上、ポットスチルでは200年以上も行われていないそうだが、アメリカで近年ライ・ウイスキー市場が急拡大していることもあり、今後もライ・ウイスキーを生産する蒸溜所は増加するのではないかと思われる。