日別アーカイブ: 2017年12月9日

バルメナック、「エコ」蒸溜所に

インヴァー・ハウス・ディスティラーズ(Inver House Distillers)は、傘下のスコットランド・バルメナック蒸溜所(Balmenach Distillery)に300万ポンドを投じて、嫌気性消化(anaerobic digestion / AD)処理施設を導入すると発表した。
この施設は嫌気性細菌と呼ばれる細菌を用いて有機性産業廃棄物の処理を行う物で、処理の過程でメタンガスが生成される為、廃棄物をエネルギーとして再生できる(つまりバイオマス)という特徴を持つ。

バルメナックでは当然このAD処理施設を用いてウイスキーの生産から排出される廃棄物の処理を行う予定で、施設が稼働すれば蒸溜所の動力を賄えるだけではなく、余剰電力の売却も可能になるという。
その他、処理の過程で生成される浄水は近隣の小川へ、生物肥料はスペイサイド地域の大麦農場へそれぞれ還元されることになり、この投資でバルメナックは”Sustainable”な蒸溜所へと生まれ変わるとしてる。

英国政府は近年このAD施設の普及に力を入れており、恐らく何らかの助成金や税制の優遇もあるものと思われる。

Balmenach Distillery Gets 3M Sustainability Investment | The Spirits Business

「オクトモア 08.1 スコティッシュ・バーレイ」国内販売開始

ブルックラディ蒸溜所が手掛けるスーパーヘビリーピーテッド・ウイスキー「オクトモア」。今年の夏に英国で発売になったバッチ8の4本の内の1本、「オクトモア 08.1 スコティッシュ・バーレイ(Octomore 08.1 Scottish Barley)」が国内でも販売開始になる。
2007年に収穫されたスコティッシュ・バーレイを使用して2008年に蒸溜、ファーストフィルバーボンカスクで8年間熟成された物で、フェノール値は167ppm。
度数59.3%、700ml、税別16,000円で来年1月15日より出荷される。
バッチ8の他の3本の内、「08.2」は免税店限定、「08.3」と「08.4」の国内販売は現時点では不明。
また、「08.1」の発売に伴い、現行商品のバッチ7「オクトモア 07.1 スコティッシュ・バーレイ」は在庫のみで終売となる。

「オクトモア 08.1 スコティッシュ・バーレイ」新発売 | Bar Times

Octomore by Bruichladdich Whisky (公式サイト)

フィンランド・キュロ蒸溜所が初のウイスキーをリリース

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Source : kyrodistillery.com

2014年にフィンランドで設立され、ライ麦のみを使用したスピリッツを生産するキュロ蒸溜所(Kyrö Distillery Company)より「キュロ シングル・モルト・ライ・ウイスキー(Kyrö Single Malt Rye Whisky)」がリリースされた。
ヴァージンアメリカンオークカスクで3年間熟成の後、ファーストフィルバーボンバレルで後熟、マルサラワインカスクでフィニッシュした物で、47.8% ABV、500ml、価格はUS$80前後で360本が出荷される。
同蒸溜所からはこれまでニューメイクスピリッツや熟成期間1年未満の物はリリースされていたが、スコットランドやアイルランドでの基準である3年以上熟成の「ウイスキー」の発売はこれが初めてとなる。

Finlands Kyrö Distillery Launches Rye Whisky | The Spirits Business

kyrodistillery.com (公式サイト)