インヴァー・ハウス・ディスティラーズ(Inver House Distillers)は、傘下のスコットランド・バルメナック蒸溜所(Balmenach Distillery)に300万ポンドを投じて、嫌気性消化(anaerobic digestion / AD)処理施設を導入すると発表した。
この施設は嫌気性細菌と呼ばれる細菌を用いて有機性産業廃棄物の処理を行う物で、処理の過程でメタンガスが生成される為、廃棄物をエネルギーとして再生できる(つまりバイオマス)という特徴を持つ。
バルメナックでは当然このAD処理施設を用いてウイスキーの生産から排出される廃棄物の処理を行う予定で、施設が稼働すれば蒸溜所の動力を賄えるだけではなく、余剰電力の売却も可能になるという。
その他、処理の過程で生成される浄水は近隣の小川へ、生物肥料はスペイサイド地域の大麦農場へそれぞれ還元されることになり、この投資でバルメナックは”Sustainable”な蒸溜所へと生まれ変わるとしてる。
英国政府は近年このAD施設の普及に力を入れており、恐らく何らかの助成金や税制の優遇もあるものと思われる。
Balmenach Distillery Gets 3M Sustainability Investment | The Spirits Business