
悲劇の舞台の1つ、バンクーバーの”Fets Whisky Kitchen” / Source : scotchwhisky.com
今月現地時間19日、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のバンクーバーとヴィクトリアにある4軒のバーに政府当局の職員が一斉に立ち入り、独立系ボトラー、スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティー(The Scotch Malt Whisky Society / SMWS)によるボトル数百本、金額にして約10万カナダドル(約887万円)分が押収されるという痛ましい事件があった。
カナダでは多くの州で酒類の販売に対して厳しい規制があり、政府の認可を受けた数少ないボトルのみが流通する。
また個人では(合法なボトルであれば)どこで購入しても構わないが、バーなどの飲食店は政府直轄の販売店からのみの購入が義務付けられている。
ところがSMWSのボトルは政府系の店では扱いが無く民間の店でのみ販売されており、今回立ち入りを受けた4軒のバーは当然ながら民間の販売店を通じて仕入れていた為、御用となったようだ。
4軒のバーはいずれもSMWSのパートナー・バーで、その内の1軒、バンクーバーの”Fets Whisky Kitchen“では計242本・約4万カナダドル(約355万円)分のボトルが押収された。
SMWSカナダ支部は「禁酒法まがいのガサ入れが我々と家族経営の零細バーを攻撃した(意訳)」とする非難の声明をTwitterで表明している。
この立ち入りの影響で、19日から21日にかけて開催されたヴィクトリア・ウイスキー・フェスティバルで行われる予定だったSMWSのセミナーは中止。同じく政府系の店では扱いが無いスプリングバンク蒸溜所と独立系ボトラー・ゴードン&マクファイルも、フェスティバルへの参加を見合わせている。
なおブリッティシュコロンビア州の政府当局者は、今回の件については「通常の業務なのでコメントしない」としている。
Whisky Seized in Prohibition Style Raids | Scotchwhisky.com
Scotch Whisky Seized In ‘Prohibition Raids’ By Canadian Government | Forbes
change.orgで政府当局に対する署名活動実施中。
“Free The Whisky(ウイスキー返して!)” | change.org