モルト・ミルのミニチュアボトルが出品中

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source : scotchwhiskyauctions.com

英国のオンラインオークション Scotch Whisky Auctionsに、独立系ボトラー James MacArthur & Co.によるモルト・ミル蒸溜所(Malt Mill Distillery)の1959年蒸溜・熟成10年のシングルモルトウイスキーだというミニチュアボトル(50ml)が出品されている。

モルト・ミルは1908年、当時ラガヴーリン蒸溜所のオーナーだったMackie & Co.によって、ラガヴーリン蒸溜所の敷地内に建設されたいわく付きの(ここを参照)蒸溜所。
1962年に閉鎖されるまでの間、ここで生産された原酒は全てホワイト・ホースなどのブレンデッド・ウイスキーに使用され、公式にシングル・モルトとして販売された事は一度も無い。
唯一現存する原酒はラガヴーリン蒸溜所が保管する最後のニューポットのサンプル1瓶だとされている。

ではなぜ「モルト・ミル」のミニチュア・ボトルなるものが存在するのか。
Scotchwhisky.comの取材によると、話はこうだ。

1990年代中頃、Mike Barbakoff氏というコレクターが休暇中にアイラ島・ボウモア(地名)にあるバーを訪れ、ここでラガヴーリンの元ブレンダーだという人物に出会った。
聞けばこの元ブレンダー氏、私物としてラガヴーリンのサンプルをいくつか保管しており、その中にはモルト・ミルの物も含まれるという。
Barbakoff氏はモルト・ミルのサンプルの買取を20ポンドで提案、元ブレンダー氏は快く応じてくれたそうだ。
その後Barbakoff氏はこれをJames MacArthurに持ち込み、サンプルは4本のミニチュアボトルに分けられ、UK Mini Bottle Clubの会員限定商品として販売された。
その内の1本が今回出品された物というわけだ。

オークション会社の鑑定士によれば、今回のボトル自体は本物で間違いないと言う。
問題は、Barbakoff氏が手に入れたサンプルがそもそも本当にモルト・ミルの物なのかという点だ。
件のサンプルをテイスティングした経験のあるBarbakoff氏ともう1人のコレクターによれば、中身は「何の変哲も無いピーテッド・ウイスキー」だったという。
また現在のラガヴーリンのオーナーであるディアジオは「モルト・ミルの原酒がシングル・モルトとしてボトリングされた事例は把握していない」としている。

果たして本当に「モルト・ミル」なのか。
残念ながら、それを確かめる術は無いだろう。

オークションは日本時間の2月5日の7:00頃終了の予定。

2月5日追記
£3,740(約58万円・バイヤーズプレミアム込み)で落札された。

Malt Mill 1959 10 Year Old James MacArthur’s Mini 5cl | Scotch Whisky Auctions
Priceless Mini of Rare ‘Malt Mill’ Auctioned | Scotchwhisky.com

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