カテゴリー別アーカイブ: こぼれ話

山崎55年、8,500万円で落札される

source : suntory.co.jp

サントリーが今年6月に税込330万円で販売した「山崎 55年」が、今月21日に香港ボナムスで開催されたオークションで620万香港ドル(バイヤーズプレミアム込)、およそ8,467万円で落札された。

「山崎 55年」の生産本数はわずか100本で、購入権の抽選は日本在住者を対象に今年2月に行われた。
サントリーから販売された700mlサイズのボトルには収納用の木箱の他、トライアル用の50mlサイズのミニチュアボトルも付属するが、今回の出品にはこのミニチュアボトルは含まれていない。
また各ボトルには購入者の氏名が刻印されているが、ボナムスが公開した出品画像では刻印部分に加工が施されており、最初の購入者の情報は公開されていない。

2019年5月に台湾で開催されたオークションで「山崎 50年」につけられた13,512,500台湾ドル(当時のレートでおよそ4,640万円)が、これまでのジャパニーズ・ウイスキーの最高額だったが、今回の「山崎 55年」により、この記録は大幅に更新された。

New World Auction Record for a Bottle of Japanese Whisky Set at Bonhams Hong Kong | Bohnams

北朝鮮産ウイスキー「三日浦」爆誕

samilpo

source : instagram.com/youngpioneer/

北朝鮮へのツアーを手掛ける中国の旅行会社ヤング・パイオニア・ツアーズ(YPT)が先月23日にブログなどの投稿で明らかにしたところによると、北朝鮮では現在「三日浦(サミルポ)ウイスキー」なるウイスキーが販売されているという。
スコッチ・ウイスキーのトップブランドとよく似たデザインの「三日浦ウイスキー」は、「8種の必須アミノ酸を含む15種のアミノ酸配合で、飲酒による肝臓へのダメージなどの副作用を軽減する」と謳われており、アルコール度数40%のブラックラベルと42%のレッドラベルの2種がラインナップされている他、今後アルコール度数45%の物も加わるようだ。
YPTによれば、平壌のデパートなどで販売されており、価格はUS$15程だという。
北朝鮮へお出かけの際は購入を検討されてはいかがだろうか。

North Korean Whiskey Hits the Shelves! | Young Pioneer Tours

偽「ジョニーウォーカー」工場、摘発される(タイ)

タイ南部のソンクラー県で、偽の「ジョニーウォーカー ブラックラベル」「レッドラベル」を製造していた工場が現地当局により摘発され、偽造に従事していた40歳と20歳の2人の女性が逮捕された。
2人は偽ウイスキーの調合、瓶詰め、ラベルと偽造の納税印紙の貼付などを行っており、摘発時には証拠品の隠滅を図ろうとしたという。
逮捕された40歳の女性は工場のオーナーには会ったことがないと供述しており、当局はこの偽造工場が外国人により運営されていたとみている。

タイではこういった偽造酒が広く出回っていると言われ、偽造者が摘発されるのも珍しい事ではない。
今回摘発された工場で作られていた偽「ジョニーウォーカー」はバンコクへ向け出荷されていたようだ。
こういった偽造酒の中身は不明で、当局はこれらの飲用は「非常に危険」だとしている。

タイへご旅行の際はご注意を。

Dangerous Fake Johnny Walker Heading for Bangkok | Bangkok Jack

無名の2,000円スコッチが「世界のベストウイスキー」に選ばれる(フェイクニュース)

margot8yo

source : lidl.co.uk

先月末、米エスクァイアや英インディペンデント、英版ハフィントン・ポストなどのニュースサイトが、「クイーン・マーゴット 8年(Queen Margot 8 Years)」というブレンデッド・スコッチが英ウイスキー・マガジン誌の主催するワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2019で「ワールド・ベスト・ウイスキー」に選ばれた、とする報道を相次いで行った。
この「クイーン・マーゴット」、ドイツに本社置くディスカウント・スーパー・チェーン、リデル(Lidl)が£13.49、日本円にしてわずか2,000円程度で販売しているもので、これが並み居る強豪を抑えて世界中から集まった40人の専門家により「ワールド・ベスト」に選出されたとなれば快挙に違いなく、各ニュースサイトではもはやウイスキーに高い金を払う必要は無いといった論調でこのニュースを紹介していた。

だが残念な事にこのニュースは正確ではなく、報道後に米フォーブスが指摘したように、「クイーン・マーゴット」は今のところ熟成年数12年以下のブレンデッド・スコッチ・ウイスキーの部門においてベストに選出されたに過ぎない。
WWAは3段階に分けて審査を行っており、まず第1ラウンドで各国ごとのサブカテゴリのベストを、次の第2ラウンドでは各国のメインカテゴリ(シングル・モルト、ブレンデッド・ウイスキーなど)ごとのベストを、そして最終ラウンドでは世界全体でのメインカテゴリごとのベストをそれぞれ選出する。
「クイーン・マーゴット」はこの内の第1ラウンドを突破したところで、各ニュースサイトの報道は勇み足だったわけだ。

ただし「クイーン・マーゴット」はこの第1ラウンドで、スコッチとしてはトップの知名度を誇り、現地での価格は倍近い「ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年」を破っており、コストパフォーマンスに優れたウイスキーであるには違いないようだ。
そしてもちろん今月末に発表されるWWAの最終ラウンドの勝者にこの2,000円のスコッチが選ばれる可能性も残っている。

いずれにせよ、報道後(当然ながら)「クイーン・マーゴット」は売れに売れたそうなので、リデル社にとってWWAへのエントリー料(3万円弱)は非常に効率のいい投資になったと思われる。

なお、フォーブスの指摘を受けて、報道を行った各ニュースサイトの該当記事は現在修正されている。

Fake Whisky News: No, That Lidl Whisky Is Not ‘The Best In The World’ | Forbes.com
Queen Margot 8YO Blend Scotch Whisky | Lidl

第1ラウンドを突破しただけだと知っていても、この値段なら私もリデルへ行っていたと思います。

ウイスキーエクスチェンジのブラックフライデー限定ボトル、今年は1時間で完売

blackfriday2018

source : thewhiskyexchange.com

英国の大手ウイスキー専門店ウイスキー・エクスチェンジ(The Whisky Exchange / TWE)が、昨年に引き続きブラックフライデー限定ボトルを現地時間11月23日午前6時(日本時間同日15時)より販売、今年は1時間余りで完売となった。
昨年は582本限定のシングル・カスク・ウイスキーが1人3本まで購入できたこともあり、販売開始からものの十数分で売り切れてしまったが、今年1,400本が用意され、購入制限も1人2本に設定されていたので、昨年SNSで散見されたようなTWEへの苦情も無く、無事にイベント終了となったようだ。

Black Friday 2018 Edition“は1999ヴィンテージ18年熟成のオークニー諸島所在の蒸溜所のシングル・モルト・ウイスキーで、アルコール度数はカスクストレングスの54.6%、価格は£69.95だった。

Black Friday Orkney 1999 / 18 Year Old | The Whisky Exchange

イーロン・マスク、テキーラ「テスラキーラ」を商標出願

米国のセレブリティ達の参入が相次ぐテキーラ・ビジネスに、IT業界の大物イーロン・マスク氏が参戦するようだ。

これはCNBCが12日、テスラ社が「テスラキーラ(Teslaquila)」の商標登録の申請を行っているとして明らかにしたもので、この報道を受け同日テスラ社のCEOであるマスク氏は、テスラキーラのラベルの写真と共に”Teslaquila coming soon … “とツイートした。

同氏は今年のエイプリルフールに「テスラ社は破綻しました」というネタツイートを行い、自社の株価急落を招いて物議を醸したが、このネタツイートで「気絶したイーロンの周りにはテスラキーラのボトルが散乱していました」としてテスラキーラに言及していた。

Elon Musk’s Tesla Files for a Trademark Teslaquila | CNBC
イーロン・マスク氏のツイート

記録更新なるか 世界にただ一本の「マッカラン」が競売へ

90f106d7c412448c02d969b208f8743f

マッカランのアイコン、エルキー・ハウスが描かれたボトル  source : scotchwhisky.com

先日英国で行われたオークションで、生産本数わずか12本の「マッカラン 1926 60年 ヴァレリオ・アダミ」がウイスキーとして史上最高額となるおよそ1億2,500万円で落札されたばかりだが、今度はなんと世界にただ1本しか存在しない「マッカラン」がオークションへ出品されることになった。

このマッカラン、中身は先日のマッカランと同じ1926年に樽詰めされたカスクナンバー#263の樽のもので、熟成年数も同じく60年だが、ボトルには壁画・装飾画を手掛けるアイルランドのアーティスト、マイケル・ディロン(Micheal Dillon)氏の手描きによる装飾が施されており、1999年にロンドンの高級食料品店フォートナム・アンド・メイソンで1本のみが販売された。

このボトルのオークションを11月29日にロンドンで行うクリスティーズによれば、落札額は100万ポンド(約1億4,700万円)の大台に乗る見込みで、これが実現すれば、ウイスキーに付けられた最高額の記録はわずか2ヶ月足らずで数千万円も更新される事になる。

‘Unique’ Macallan Could be First £1M Whisky | Scotchwhisky.com
5 Minutes with… A 1926 Bottle of The Macallan Whisky | Christie’s

「マッカラン 60年」ウイスキー最高額を更新

macallan60

source : bonhams.com

今月3日にスコットランド・エジンバラで行われたボナムス社のオークションで、「マッカラン 1926 60年」のヴァレリオ・アダミ氏のデザインよるラベルの物が、電話で参加したアジア人バイヤーにより、バイヤーズプレミアム込みで848,750ポンド、およそ1億2,575万円(当日のレートで計算)で落札された。

今年5月にボナムス・香港のオークションで、同じアダミ氏デザインの「マッカラン 60年」の別の1本が8,636,250香港ドル、当時のレートでおよそ1億2,135万円で落札されており、これまでこれがウイスキー1本につけられた金額としては史上最高額だったが、今回の落札はこの記録を日本円にして400万円以上上回ったことになる。

「マッカラン1926 60年」は1986年に僅か40本がボトリングされ、内12本が今回のヴァレリオ・アダミ氏デザインのラベルのものとなっている。
このボトルは一般向けではなくマッカランの顧客企業向けに販売された物で、販売当時の価格は20,000ポンドだった。

World’s Most Valuable Whisky Leads Bonhams Whisky Sale in Edinburgh | Bonhams

偽「響30年」をメルカリで販売した男2人逮捕される

hibiki

写真は本物の「響 30年」  source : suntory.co.jp

昨日21日、三重県警は偽の「響 30年」をフリーマーケットアプリ・メルカリで販売したとして、東京都の古物店員の20代の男2人を商標法違反と詐欺の容疑で逮捕したと発表した。

容疑者2人は昨年6〜7月、仙台市の男性に対して偽「響 30年」計5本を1本19〜20万円で4回に分け販売、男性から合計99万円を騙し取り、サントリーホールディングスの商標権を侵害した疑い。
県警によれば偽「響 30年」はボトルやパッケージは本物だが、中身が偽物だったという。
三重県四日市市に住む別の男性が、仙台市の男性と同時期に同じ容疑者2人から偽ウイスキーを購入後返品し、三重県警に相談していたことから今回の逮捕に繋がった。

男2人は容疑を一部否認しており、ぞれぞれ「売ったときには偽物だと知らなかった」「偽物だと知っていたが、騙すつもりはなかった」と供述しているという。

サントリーが販売する「響 30年」は希望小売価格税込13万5千円だが、世界中で高い人気を誇り、年間数千本しか生産されないことから、ネットオークションやフリーマーケットアプリなどでは現在40万円以上の値がつけられている。
またジャパニーズ・ウイスキーの取引価格の高騰に伴い、ネット上では日本製ウイスキーの空き瓶までもが売買されており、「響 30年」や「山崎 25年」といった高額ウイスキーの空き瓶は1本当たり数万円で取り引きされる。

商標法違反・詐欺被疑者の逮捕 (生活環境課・四日市南署) | 三重県警
中身は別のウイスキー 偽「響30年」販売容疑で逮捕 | 朝日新聞

ペルノ・リカール、韓国市場から強制退場の危機を回避する

prk

source : pernod-richad-korea.com

酒類最大手、仏ペルノ・リカール(Pernod Ricard)は、韓国市場からの強制退場の危機に直面したものの、これを回避したと報じられている。

今年3月、ペルノ・リカールの韓国法人ペルノ・リカール・コリア・インペリアル(PRKI)は、現地で販売するブレンデッド・スコッチ・ウイスキー「インペリアル(Imperial)」の1つにガラス片の混入が見つかったことで、韓国食品医薬品安全処から3日間の営業停止(認可の一時停止)を言い渡された。
ところがこの営業停止命令が関係各所に周知されていなかったようで、現地の下請け業者の1つが停止期間中に食品検査の申請を行ってしまった。
結果、PRKIは当局からの恒久的な認可取消の危機に直面。
ペルノ・リカールは韓国市場からの撤退を余儀なくされるところであったものの、幸いにも(恐らくは当局への陳情によって)認可取消は実行されなかったようだ。

世界的なウイスキーブームは韓国には波及しておらず、この10年で韓国におけるウイスキーの市場規模は半分にまで縮小している。
「インペリアル」はその韓国市場で現在第3位につけるブランドで、昨年の販売額は前年比で14%減となったものの、ペルノ・リカールによれば今年は改善される見込みだという。

Pernod Ricard Defends Korea License Amid Controversy | The Spirits Business

バーボン熟成庫崩壊、数千樽とお魚800匹が犠牲に

180622172049-01-barton-1792-distillery-collapse-exlarge-169

source : cnn.com

現地時間今月22日金曜日の朝、アメリカ・ケンタッキー州バーズタウンに位置するバートン1792蒸溜所(Barton 1792 Distillery)の29ある熟成庫の内の1つが半分に切断されるような形で崩壊、貯蔵されていたおよそ18,000バレルの半分、約9,000バレルが屋外へ投げ出される事故が発生した。
幸いにも怪我人は出なかったようだが、投げ出された9,000バレルの内損傷した物(3,000バレル程だと見られている)からはバーボンが漏れ出しており、現場にはバーボンの香りが漂っているという。
また地元の報道によれば、蒸溜所の近くを流れるウィズロー川(Withrow Creek)では約800匹の魚が死亡、漏れ出したバーボンの流入が原因だと見られている。

崩壊の原因は今のところ不明だが、崩壊した熟成庫は1940年代に建設された物で、壁の補修作業が進行中だったという。
蒸溜所のオーナーカンパニーであるサゼラック(Sazerac)は、被害の全容を把握次第声明を発表するとしている。

※バーボン1バレルは約200リットル

9,000 Barrels of Bourbon Fall in Kentucky Distillery Building Collapse | CNN
Hundreds of Fish Killed in Leak from Distillery Warehouse Collapse | Courier Journal

スコットランドの某蒸溜所には「第二次世界大戦中にドイツ軍の空爆で流れ出したウイスキーで魚が酔っ払った」という伝説がありますが。。。

約100年前のグレンファークラス発見される

ccfcda788f79e71e2d9516da391b787d

source : scotchwhisky.com

1920年にボトリングされたと見られる未開栓のグレンファークラスが発見された。

レア・オールド グレンファークラス–グレンリベット ピュア・モルト・ウイスキー(Rare Old Glenfarclas-Glenlivet Pure Malt Whisky)」とラベリングされたこのボトルは、かつてグラスゴーの東に存在したグレーン蒸溜所・ガートロック(Gartloch Distillery)が1920年に閉鎖された際、当時の支配人を勤めたスティーブン・ドゥウェル(Stephan Dowell)氏に贈られた物。
ボトルは1947年にドゥウェル氏の娘氏の手に渡り、1988年には彼女の姪の夫であるヒュー・テイラー(Hugh Taylor)氏に受け継がれた。

このグレンファークラスは長らくテイラー家の洗濯場の棚の後ろでティータオルで包まれたまま眠っていたそうで、最近になって再発見された後、今年の4月にテイラー氏によってグレンファークラスの5代目当主ジョン・グラント氏の元へ返却され、蒸溜所のアーカイブに加わることになった。
グラント氏によればこのボトルは間違い無く本物で、現存する未開栓のグレンファークラスとしてはおそらく最古の物になるという。

およそ100年前のこのグレンファークラスは、今週から開催されるスピリット・オブ・スペイサイド・ウイスキー・フェスティバルの期間中、グレンファークラス蒸溜所のビジターセンターに展示される予定。

Oldest Glenfarclas Returns to Distillery | Scotchwhisky.com

1本6500万円のマッカラン、ビジネスマンが2本お買い上げ(ドバイ)

51be692990adf9f173af3c745e38f55e

source : scotchwhisky.com

UAE・ドバイ空港内の酒類専門店ル・クロ(Le Clos)が1本US$600,000(現在のレートで約6,550万円)で販売していたマッカラン(Macallan)を2本、「ウイスキー・コレクターのインターナショナル・ビジネスマン」とだけ明かされている人物が購入した。

このマッカランは1986年に顧客向けにボトリングされた「マッカラン 1926 60年」で、生産数40本の内12本ずつのラベルデザインをポップ・アーティストのピーター・ブレイク氏とヴァレリオ・アダミ氏が手掛けており、今回販売されたのはこの12本の内の1本ずつ2本になる。

リリース時の価格は£20,000、最後にこのマッカランが売買されたのは2007年のクリスティーズで、落札額はUS$75,000(当時のレートで900万円前後)だった。

これまでに1本のウイスキーに付けられた価格の最高額(US$ベース)は2014年のサザビーズ香港で落札された「マッカラン M」のUS$628,000だが、このマッカランは容量6リットルのデキャンタ入りの物なので、通常サイズ(700ml〜750ml)のウイスキーの物としては今回のUS$600,000が史上最高額となる。
今年1月のサザビーズ香港で「山崎 50年」が約US$299,000(約3,250万円)で落札され、これが通常サイズのウイスキーに付けられた最高額となっていたが、僅か数ヶ月で倍の価格に記録更新となった。

なお、今回販売されたマッカラン2本と同じ物が来月5月18日に開催されるボナムス香港のオークションに出品される
ボナムスでは1本あたりの落札予想額の上限を約6,200万円としていたが、今回の報道を受けてこれを大幅に上回る事も予想される。

Macallan 1926 Malts Fetch World Record $1.2m | Scotchwhisky.com
Two Macallan 1926 Whiskies Sell for $1.2 Million | The Spirits Business

136年前のベン・ネヴィスが競売へ

dewofbennevis

source : prinzbev.com

W・D・マクファーソン(W. D. Macpherson & Sons)が1882年にボトリングしたとされるベン・ネヴィス蒸溜所のウイスキー「デュー・オブ・ベン・ネヴィス(Dew of Ben Nevis)」がオークションへ出品される。

このボトルはカナダと香港に拠点を置く酒造会社PBG(Prinz Beverage Group)が所有している物で、何と1850年頃に建てられたカナダ・トロントの民家の壁の中から発見されたのだという。
当時カナダのスコットランド系住民には家を新築する際に幸運を願ってウイスキーのボトルを壁の中に塗りこめる習慣があり、このベン・ネヴィスもそういったボトルの1本のようだ。
(1850年頃に新築された家の壁の中で見つかったのであれば、このボトルもその頃に生産された物のようにも思えるが、PBGがこれを1882年製造だと特定してしている理由は不明)

このベン・ネヴィスはクリスティーズのオークションへ出品される予定だが、PBGでは4月30日までの間、事前入札を受け付けている。
最低入札価格はUS$135,000(約1,431万円)からで、詳細及び入札を希望の場合は下記リンク中に記載されているメールアドレスまで連絡されたし。

Macpherson’s Scotch – 150 Year Old Bottle for Sale | Prinz Beverage Group

ジョージ・クルーニーに続け!バックストリート・ボーイズがテキーラビジネスに参入

バックストリート・ボーイズ(Backstreet Boys)は独自のテキーラブランドの立ち上げを計画中だと米テイスティング・テーブル(Tasting Table)に明かした。
既にグループは先日メキシコ・カンクンで行われたコンサートの合間に複数のテキーラ生産者と会合したようだ。

ジャスティン・ティンバーレイク、カルロス・サンタナ、ショーン・コムズ(パフィ・ダディ)など、テキーラの世界的なブームと共にテキーラビジネスに参入するセレブリティは増え続けている。
中でも最も成功したのはジョージ・クルーニーで、彼が友人2人と共同で2013年に立ち上げた「カーサミーゴス(Casamigos)」を昨年酒類大手のディアジオに1億ドル(オプション含む)で売却している。

The Backstreet Boys are Launching Their Own Tequila Brand | Tasting Table

60年物のマッカランがオークション出品、予想落札価格6200万円

Valerio-Peter-Blake

左がピーター・ブレイク氏デザインの物。source : thespiritsbusiness.com

1986年にボトリングされた1926年ヴィンテージ・60年物のマッカラン(Macallan)2本が、5月18日にボナムス香港で開催されるレアワインとウイスキーのオークションに出品される。
予想落札価格はいずれも驚愕の360万〜460万香港ドル、現在のレートで約4,860万〜6,210万円(何度も確認しましたが間違ってないです)となっている。

マッカラン 1926 60年」はわずか40本のみがマッカランの顧客向けに生産されたもので、40本の内12本ずつのラベルデザインをそれぞれポップ・アーティストのピーター・ブレイク氏(Peter Blake、ビートルズのサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドのジャケットデザインで有名)とヴァレリオ・アダミ氏(Valerio Adami)が手掛け、残り16本は通常のマッカランと同じデザインとなっている。
今回出品されるのはアーティストによるデザインの物2種。
このマッカランがボナムスのオークションにかけられるのは実に30年振り、ほかのオークション・ハウスを含めても11年振りだという。

Macallan-Valerio-Adami

右がヴァレリオ・アダミ氏によるデザイン。source : thespiritsbusiness.com

今年1月のサザビーズ香港のオークションで「山崎50年」が約3,250万円で落札されたのは記憶に新しい。
現在これが通常サイズのウイスキーの落札額としては史上最高額になるが、このマッカランが予想通りの価格で落札されれば山崎50年の記録を大きく塗り替えることになる。

Vintage Macallans to Auction for First Time in 30 Years | The Spirits Business
Holy Grail Macallans Set for Auction | Scotchwhisky.com

「グレン」はスコッチ専用ではありません(EU)

先日スコッチ・ウイスキー協会(SWA)が、ドイツのヴァルトホルン蒸溜所(Waldhornbrennerei)が販売するシングル・モルト「グレン・ブーヘンバッハ(Glen Buchenbach)」のブランド名にある「グレン」の使用差し止めを求めてEU司法裁判所へ提訴したとこのサイトでもお伝えしたが、現地時間22日、訴えは無事?却下された。

SWA側の主張は、スコットランドの116ある蒸溜所の内31が「グレン」蒸溜所で、他国のウイスキーがこれを名乗るのはEU法で定められた地理的表示保護制度(例えばパルマハムはイタリア・パルマで、シャンパンはフランス・シャンパーニュで、そしてスコッチ・ウイスキーはスコットランドで生産された物だけが表示できる、などとした制度)に抵触し、消費者の混同を招くといった内容だった。
だが結審前に提出されたEU法務官による意見書では、「グレン」の使用はEU法に抵触するとは言えず、大体「グレン」はアイリッシュ・ウイスキーでもカナディアン・ウイスキーでも使われてるだろ、とされており、概ねこれに従った判決となったようだ。

SWAによる今回の訴えは結局のところ、大半のスコッチに比べて知名度では劣るであろうドイツ製シングル・モルトの宣伝になっただけだと思われる。

Scottish Whisky Suffers EU Court Setback in Battle over Germany’s Glen Buchenbach | The Telegraph

「グレン」使っていいのはスコッチだけ(SWA)

ドイツ・バーデンヴェルテンベルク州ベルクレンに、ヴァルトホルン蒸溜所(Waldhornbrennerei)というクラフト・ディスティラリーがある。
日本ではほとんど知られていないと思われるこの蒸溜所は、ブランデーやジンの他「グレン・ブーヘンバッハ(Glen Buchenbach)」というシングル・モルトも販売しているのだが、このウイスキーの名前を巡って、英スコッチ・ウイスキーの番人を自任するスコッチ・ウイスキー協会(Scotch Whisky Association / SWA)と争う羽目になってしまった。

SWAは「グレン」という言葉はスコットランドのウイスキーにのみに使用が認められるべきであり、ドイツのウイスキーがこれを使用するのはEU法の地理的表示保護制度で守られる「スコッチ・ウイスキー」を侵害しているとして、ヴァルトホルンの「グレン」の使用差し止めを求めて欧州司法裁判所へ提訴した。

グレンリベットグレンフィディックグレンファークラスなど、スコットランドの蒸溜所やウイスキーの名前に良く見られる「グレン(Glen)」は、「谷(英語のValley)」を意味するゲール語”Gleann”を英語表記した物で、主に地名に使用される。
例えば「グレンリベット(Glenlivet)」は「リベットの谷」という意味になる(livetの意味する所は不明)。

ヴァルトホルンによると「グレン・ブーヘンバッハ」は「ブーヘンバッハタール(Buchenbachtal)」からの命名で、「谷」を意味するドイツ語”Tal”を同意の”Glen”に置き換えたものだとしている。
蒸溜所のあるバーデンヴェルテンベルク州には「ブーヘンバッハタール」という名の国立公園があり、ここには”Buchenbach”すなわちブーヘン川が流れている。
つまり「ブーヘンバッハタール」は「ブーヘン川の流れる谷」という意味で、これをゲール語風に言い表したのが「グレン・ブーヘンバッハ」という訳だ。

SWAが主張は恐らく、こういった命名はスコットランドの蒸溜所の模倣で、消費者がスコッチ・ウイスキーと混同しかねない、といったところだろう。

また、SWAが「グレン」を問題としたのはこれが初めてではない。
2007年にカナダ・ノバスコシア州のグラノラ蒸溜所(Glenora Distillery)が手掛けるウイスキー「グレン・ブレトン(Glen Breton)」に、そして2017年にはアメリカ・ノースダコタ州にあるプルーフ・アーティザン蒸溜所(Proof Artisan Distillers)の「グレン・ファーゴ(Glen Fargo)」に対して、今回と同様の訴えをカナダ連邦裁判所と米国特許商標庁へそれぞれ行っており、そして訴えは両国で却下されている。

同じゲール語圏であるアイルランドはもちろん、スコットランドやアイルランドの人々の移民先であったアメリカやカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカには「グレン」のついた地名が数多く見られる。
(特にノバスコシア(Nova Scotia、つまりNew Scotland)州にはその名の通りスコットランドにルーツを持つ住民が多く、「グレン」の付く場所もあちこちにあるのだが、SWAにとってそれはどうでもいい事のようだ)
またこれらの国々は皆ウイスキーに縁深い国々でもあって(日本は例外的だと言える)、当然ながら「グレン」の付いた蒸溜所やウイスキーは他にも存在する。
付け加えて言うと、ドイツには「グレン」の付くウイスキーがまだ他にも存在しているのだが、SWAはこれら全てに訴えを起こすつもりなのだろうか?

いずれにせよ、欧州司法裁判所は今週中に裁定を下すようだ。

2月24日追記
SWAの訴えは却下された。

Scotch Whisky Association Launch Legal Challenge against German Whiskey over ‘Glen’ Name | The Herald
公式サイト: SWA / Waldhornbrennerei

1989年ヴィンテージのマッカラン、1樽3,600万円

Macallan-cask

source : thespiritsbusiness.com

英Whisky-Online Auctionsが1月31日から2月7日にかけて開催したオークションで、1989年にマッカラン蒸溜所で樽詰めされたカスクナンバー1248のリフィルシェリーホグズヘッドが242,200ポンド、落札時のレートでおよそ3,650万円で落札された。
この樽は1994年に2,700ポンドで前オーナーが蒸溜所から購入したもので、樽そのものは年22.5ポンドの保管料で今も蒸溜所内の熟成庫に置かれている。
樽内の現在のアルコール度数は52.75%、残存量は700mlボトル約257本分の180リットルとなっている。

今回の落札額が1989年ヴィンテージの樽入りウイスキーとしては過去最高額となる。
また昨年の10月に香港で開催されたSpink社のオークションで、1987年ヴィンテージのマッカランのシェリーホグズヘッドが2,928,000香港ドル(当時のレートで約4,225万円)で落札されており、これが樽入りウイスキーの落札額として過去最高額となっている。

Macallan Sets New Record for 1989 Cask Sale | The Spirits Business
1 Full Sherry Hogshead Of Macallan 1989 – Cask 1248 – Held In Bond | Whisky-Online Auctions

地元還元用「厚岸 NEW BORN」、予約受付開始前に受付終了

今月27日に全国で発売される北海道・厚岸蒸溜所の初商品「厚岸 NEW BORN」。
これの町民還元用ボトル500本の予約受付が15日に蒸溜所の地元・厚岸町にある道の駅厚岸グルメパーク・コンキリエで行われたものの、予定された受付開始時間前に受付終了となってしまった。
受付開始はコンキリエ開店の午前10時からと告知されていたのだが、開店前に大勢が集まった為にコンキリエは9時半頃から受付を開始し、1人1本のみだったはずが家族分の予約を認めてしまうなどの不手際もあって10時を待たずに締切となった。

1人で10本予約する者までいたそうで、予約する方もする方だが、道の駅もよくそれを認めたものだ。

還元ボトル予約、開始時間前に締め切り? 厚岸ウイスキー初の商品 コンキリエ早め開店、不手際重なる | 北海道新聞
厚岸ウイスキー「New born(ニューボーン)」について | 厚岸味覚ターミナル・コンキリエ