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ディアジオ、韓国のウイスキー工場を閉鎖へ

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韓国向けウイスキー「ウインザー 17年」  source : diageo.com

ディアジオは、韓国・利川市のウイスキー工場の操業を2020年6月に停止し、同工場を閉鎖する。
この工場では韓国市場向けブレンデッド・スコッチウイスキー「ウインザー(Windsor)」の生産の他、ウォッカ「スミノフ」のアジア市場向け商品のボトリングも行われており、今後輸出用商品の生産は主要輸出先である日本やベトナムなどにより近い地域への移管が行われる見通し。

世界的なウイスキーブームに反して韓国ではウイスキーの消費量が減少し続けており、スコッチ・ウイスキーを主軸の一つとするディアジオは2018年7月〜2019年6月期の売上高を前期比5.8%増としたが、韓国市場での売上高は11%減となっている。
その一方、ウイスキーをベースにするがより低いアルコール度数の「スピリッツドリンク」と呼ばれるカテゴリーが韓国で市場を拡大しており、ディアジオ・コリアが2015年より販売するスピリッツドリンク「W」も順調に売上を伸ばしているため、今後はこの分野へ注力するようだ。

また韓国では長年酒税を従価税としてきたが、国内産の商品は販売価格に課税されるのに対し、輸入商品は通関時の申告価格に課税されるため、国内企業から長らく不満の声が上がっていた。
今年に入ってようやく酒税法改正の動きが始まり、まずビールとマッコリに対する酒税が従量税へと変更された。
だがこの新法が適用されるのは今のところ韓国資本の企業の商品のみで、海外資本企業の商品は従価税に据え置かれており、これをディアジオの韓国での事業縮小の背景の1つとする報道も見られる。

Diageo to Close Korean Plant | The Sprits Business
Diageo to Close Whisky Production Line in Korea Next Year Due to Slow Sales | Pluse

グレンタレット、スイス人実業家の元へ

現在英エドリントンが所有するグレンタレット蒸溜所を、スイス人実業家シルヴィオ・デンツ(Silvio Denz)氏が率いるアート&テロワール(Art & Terroir)社が買収する。
買収は来年の春に完了する予定で、蒸溜所の雇用は維持される。買収金額は非公表。

アート&テロワールはフランスの他イタリアやスペインなどにワイナリーを複数所有する会社だが、ウイスキーの蒸留所を傘下に収めるのはこれが初めてだと思われる。
またオーナーのデンツ氏は、高級クリスタルメーカーのラリック社を傘下に持つラリック・グループの会長も務めている。

グレンタレットは密造時代も含めると現存するスコットランド最古の蒸溜所だとも言われる歴史ある蒸溜所だが、マッカランなどの他のエドリントン傘下の蒸溜所に比べると生産量は数十分の一と非常に小規模で、ポートフォリオの高級路線化と合理化を進めるエドリントンが売却先を模索していた
なお、同じく売り出し中だったブレンデットウイスキー「カティーサーク」は、一足先に売却先が決定している

Glenturret Distillery Sold to Lalique Owner | Scotchwhisky.com

ディアジオ、ケンタッキー州に第3の蒸溜所を設立へ

ディアジオ(Diageo)は、およそ130万ドルを投じ、アメリカ・ケンタッキー州レバノンにウイスキーの蒸溜所を新設する。
同社は既に2014年に再オープンさせたスティッツェル・ウェラー蒸溜所(Stitzel-Weller Distillery)、昨年オープンしたばかりのブレット蒸溜所(Bulleit Distilling Co.)の2蒸溜所をケンタッキー州内に保有しており、2022年の完成を目指す新蒸溜所は、州内3つ目の蒸溜所となる予定。

バーボンを始めとするアメリカン・ウイスキー需要の急拡大と共に、大手各社は蒸溜所の新設や、既存蒸溜所の生産能力拡大を急いでいる。

Diageo to Open $130 Million Kentucky Distillery | The Spirits Business

カティーサーク、フランスへ出航

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source : cutty-sark.com

グレン・マレイ、スターローの2蒸溜所やブレンデッド・ウイスキー「ラベルファイブ(Label 5)」を傘下に持つ仏酒類大手ラ・マルティニケーズ・バーディネ(La Martiniquaise-Bardinet)が、ブレンデッド・ウイスキー「カティー・サーク(Cutty Sark)」を英エドリントンから買収した。買収条件は非公表。

「カティー・サーク」は1923年に老舗ワイン・スピリッツ商のベリー・ブロス・アンド・ラッドにより設立されたブレンデッド・スコッチ・ウイスキーで、日本を始めとして世界中で高い知名度を誇る。
2010年にブランドはエドリントンへ売却されたが、ポートフォリオ全体のプレミア化を進める同社が売却先を模索していると、今年6月に報じられていた。

なお、同じくエドリントンが売却先を探していると報じられたグレンタレット蒸溜所には、今の所買い手は現れていないようだ。

Cutty Sark Sold to Glen Moray Owner | Scotchwhisky.com

キリン、富士御殿場蒸溜所を増強へ

キリンが富士御殿場蒸溜所に数十億円を投じて熟成庫の増築などを行い、20年までに生産能力を増強させると日本経済新聞が報じている。
近年のウイスキーブームによる需要増により国内、輸出共に順調な事から投資に踏み切るようだ。

ウイスキー国内販売量シェア第1位のサントリーは2013年より山崎、白州両蒸溜所と近江エイジングセラーの増強を行っており、同2位のアサヒビール(ニッカウヰスキー)も休止中だった宮城峡蒸溜所の生産施設を再稼働させるなどして生産増強を図っている。
また秩父蒸溜所を運営するベンチャーウイスキーも現在第2の蒸溜所を建設中で、今回のキリンの投資はこれらの動きに追随するものと言える。

ウイスキー投資の機熟す キリン、50年ぶり蒸留所増強 | 日本経済新聞

ペルノ・リカール、韓国市場から強制退場の危機を回避する

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source : pernod-richad-korea.com

酒類最大手、仏ペルノ・リカール(Pernod Ricard)は、韓国市場からの強制退場の危機に直面したものの、これを回避したと報じられている。

今年3月、ペルノ・リカールの韓国法人ペルノ・リカール・コリア・インペリアル(PRKI)は、現地で販売するブレンデッド・スコッチ・ウイスキー「インペリアル(Imperial)」の1つにガラス片の混入が見つかったことで、韓国食品医薬品安全処から3日間の営業停止(認可の一時停止)を言い渡された。
ところがこの営業停止命令が関係各所に周知されていなかったようで、現地の下請け業者の1つが停止期間中に食品検査の申請を行ってしまった。
結果、PRKIは当局からの恒久的な認可取消の危機に直面。
ペルノ・リカールは韓国市場からの撤退を余儀なくされるところであったものの、幸いにも(恐らくは当局への陳情によって)認可取消は実行されなかったようだ。

世界的なウイスキーブームは韓国には波及しておらず、この10年で韓国におけるウイスキーの市場規模は半分にまで縮小している。
「インペリアル」はその韓国市場で現在第3位につけるブランドで、昨年の販売額は前年比で14%減となったものの、ペルノ・リカールによれば今年は改善される見込みだという。

Pernod Ricard Defends Korea License Amid Controversy | The Spirits Business

MHD、9月より輸入ウイスキー値上げへ

MHD(モエ・ヘネシー・ディアジオ)は日本で輸入販売するウイスキーの内、以下の11ブランドの21品目について平均5%程度の値上げを行うと発表した。
この値上げは原料価格の高騰に伴う措置だとしており、9月1日より実施される。

ジョニーウォーカー ブルーラベル
ロイヤルハウスホールド
タリスカー
モートラック
カリラ
グレンキンチー
クラガンモア
グレン・エルギン
ダルウィニー
オーバン
クライヌリッシュ

今回の値上げに含まれないのは、オールド・パー、ラガヴーリン、LVMH傘下のグレンモーレンジとアードベッグ、そしてブレット・バーボンの5つとなっている。
なおブルーラベル以外のジョニーウォーカーの輸入販売はキリンが行なっているため、今回のMHDによる値上げとは関係が無い。

MHDモエヘネシーディアジオ、ウイスキー値上げ 9月から | 日本食料新聞