カテゴリー別アーカイブ: 悲劇

ジムビーム炎上

アメリカ・ケンタッキー州ウッドフォード郡で現地時間7月2日夜11時半頃、ジム・ビームの熟成庫の1つで落雷によるとみられる火災が発生し、熟成中の4万5千バレルが焼失した。
また、この火災は隣接する別の熟成庫にも延焼したが、こちらは建物内部に被害が及ぶ前に消し止められた。
幸いにもこの火災による怪我人はいなかったようだ。

ビームサントリーの担当者によると、焼失した4万5千樽はいずれも熟成開始間もない「若い」ウイスキーだったということで、当面ジム・ビームのバーボンの出荷には影響が無いと見られる。

あなたのコレクションは大丈夫? フェイクボトル蔓延中か

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このアードベッグ、偽物です(SUERC)  source : thespiritsbusiness.com

ウイスキーへの投資や分析、売買仲介などを行う英レア・ウイスキー101(Rare Whisky 101)は、オークションや個人収集家など全て異なる経路から無作為に入手したオールドボトル55本の中身をスコットランド大学連合環境研究センター(Scottish Universities Environmental Research Center / SUERC)と共同で調査した結果、55本中21本が明らかな偽物、もしくはラベルの記載とは異なる蒸溜年代の物だったと発表した。
年代特定には原料の大麦が生育中に吸収した炭素14を利用する放射能性炭素年代測定が用いられており、SUERCによれば核実験などにより大気中に存在する炭素14が増加した1950年代以降の物であれば誤差2〜3年の精度で、それ以前の物であればこれよりもやや大きな誤差での特定が可能だという。

今回調査された55本には「アードベッグ 1885」他、19世紀の蒸溜だとされるシングル・モルト・ウイスキー10本が含まれていたものの、これら10本にはいずれも偽物だという判定が下された。
レア・ウイスキー101の設立者デビッド・ロバートソン(David Robertson)氏は「19世紀以前の物だとされるウイスキー全て、また20世紀の物についても多くの場合、それが立証されていない限りは原則偽物として扱うべき」だとしている。

近年のウイスキーブームと共に希少なウイスキーの市場価格は上昇の一途を辿っており、今年10月には「マッカラン 1926 60年 ヴァレリオ・アダミ」がおよそ1億2,500万円で、続く11月には「マッカラン 1926 60年 マイケル・ディロン」がおよそ1億7,300万円(いずれも落札時のレート)で、それぞれオークションで取引された。
一方で今回のようなフェイク・ボトルの問題も各国で顕在化し始めており、昨年11月には同年7月にスイスのホテルで中国人観光客に提供された1杯110万円の「マッカラン 1878」が、レア・ウイスキー101の調査で偽物だったと判明した
この他アメリカでは「パピー・ヴァン・ウィンクル」のボトルを偽造した男が昨年起訴されており、また日本では偽の「響 30年」をメルカリで販売した男2人が今年の8月に逮捕されている
ロバートソン氏は、こういった問題は「レアボトルの価格の上昇が続く限り、拡大し続けるだろう」と見ている。

今回偽物だと判定された21本が全て本物であると仮定した場合、その市場価値の合計は63万5千ポンド、およそ9,000万円にものぼるという。
レア・ウイスキー101では、現在二次流通市場及び公開されているコレクションの中に存在するレアボトルの内、価格にしておよそ4,100万ポンド、約57億5千万円分が偽物だと推定している。

Third of Rare Scotch Whiskies Tested Found to be Fake | BBC
Fake Whisky ‘Infiltrating All Routes to Market’ | The Spirits Business

マッカラン蒸溜所で限定ウイスキー発売、バイヤー殺到で道路封鎖

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source : scotchwhisky.com

蒸溜所を新築したばかりのマッカラン蒸溜所で今月14日、新築を記念した限定ウイスキー「マッカラン ジェネシス リミテッド・エディション(The Macallan Genisis Limited Edition)」360本の販売が行われたのだが、蒸溜所には前日より購入希望者の車が殺到、蒸溜所へ続く道路B9101線が現地のマレー警察により封鎖される事態を引き起こした。

販売は現地時間午前9時30分から先着順で行われると事前告知されており、この順番に間に合うよう、蒸溜所の駐車場前には前日の夜から購入希望者の車が列を作り始めた。
だがこれらの車は場所取りを終えた後は道路脇に無人で放置され、翌朝には数百台の駐車の列が出来上がるに至り、現地警察は安全確保の為に道路の閉鎖を余儀なくされた。

なお、列に並んだ車の内、蒸溜所への入場を許されたのは蒸溜所の駐車場台数である80台(ドライバーのみ)だったようだ。
この80台のドライバーの中には、「ジェネシス」の購入権を£400(約56,500円)で売る者もいたという(「ジェネシス」は1本£495)。

ツイッター等では蒸溜所の販売方法と当日の対応を非難する声も見られ、マッカランは購入できなかった人々への謝罪と地元警察への謝意を表明している。

「マッカラン ジェネシス リミテッド・エディション」は2,500本が出荷されるが、地元での販売は今回の360本のみで、残りは全て極東地域(台湾と恐らく中国、シンガポール)の免税店市場での販売となる。

Macallan Whisky Sale Causes Traffic Chaos | Scotchwhisky.com
Police Close Road in Macallan Whisky Sale Scramble | The Spirits Business

バーボン熟成庫崩壊、数千樽とお魚800匹が犠牲に

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source : cnn.com

現地時間今月22日金曜日の朝、アメリカ・ケンタッキー州バーズタウンに位置するバートン1792蒸溜所(Barton 1792 Distillery)の29ある熟成庫の内の1つが半分に切断されるような形で崩壊、貯蔵されていたおよそ18,000バレルの半分、約9,000バレルが屋外へ投げ出される事故が発生した。
幸いにも怪我人は出なかったようだが、投げ出された9,000バレルの内損傷した物(3,000バレル程だと見られている)からはバーボンが漏れ出しており、現場にはバーボンの香りが漂っているという。
また地元の報道によれば、蒸溜所の近くを流れるウィズロー川(Withrow Creek)では約800匹の魚が死亡、漏れ出したバーボンの流入が原因だと見られている。

崩壊の原因は今のところ不明だが、崩壊した熟成庫は1940年代に建設された物で、壁の補修作業が進行中だったという。
蒸溜所のオーナーカンパニーであるサゼラック(Sazerac)は、被害の全容を把握次第声明を発表するとしている。

※バーボン1バレルは約200リットル

9,000 Barrels of Bourbon Fall in Kentucky Distillery Building Collapse | CNN
Hundreds of Fish Killed in Leak from Distillery Warehouse Collapse | Courier Journal

スコットランドの某蒸溜所には「第二次世界大戦中にドイツ軍の空爆で流れ出したウイスキーで魚が酔っ払った」という伝説がありますが。。。

地元還元用「厚岸 NEW BORN」、予約受付開始前に受付終了

今月27日に全国で発売される北海道・厚岸蒸溜所の初商品「厚岸 NEW BORN」。
これの町民還元用ボトル500本の予約受付が15日に蒸溜所の地元・厚岸町にある道の駅厚岸グルメパーク・コンキリエで行われたものの、予定された受付開始時間前に受付終了となってしまった。
受付開始はコンキリエ開店の午前10時からと告知されていたのだが、開店前に大勢が集まった為にコンキリエは9時半頃から受付を開始し、1人1本のみだったはずが家族分の予約を認めてしまうなどの不手際もあって10時を待たずに締切となった。

1人で10本予約する者までいたそうで、予約する方もする方だが、道の駅もよくそれを認めたものだ。

還元ボトル予約、開始時間前に締め切り? 厚岸ウイスキー初の商品 コンキリエ早め開店、不手際重なる | 北海道新聞
厚岸ウイスキー「New born(ニューボーン)」について | 厚岸味覚ターミナル・コンキリエ

SMWSのウイスキー、バーでの提供は違法です(カナダ)

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悲劇の舞台の1つ、バンクーバーの”Fets Whisky Kitchen” / Source : scotchwhisky.com

今月現地時間19日、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のバンクーバーとヴィクトリアにある4軒のバーに政府当局の職員が一斉に立ち入り、独立系ボトラー、スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティー(The Scotch Malt Whisky Society / SMWS)によるボトル数百本、金額にして約10万カナダドル(約887万円)分が押収されるという痛ましい事件があった。

カナダでは多くの州で酒類の販売に対して厳しい規制があり、政府の認可を受けた数少ないボトルのみが流通する。
また個人では(合法なボトルであれば)どこで購入しても構わないが、バーなどの飲食店は政府直轄の販売店からのみの購入が義務付けられている。
ところがSMWSのボトルは政府系の店では扱いが無く民間の店でのみ販売されており、今回立ち入りを受けた4軒のバーは当然ながら民間の販売店を通じて仕入れていた為、御用となったようだ。

4軒のバーはいずれもSMWSのパートナー・バーで、その内の1軒、バンクーバーの”Fets Whisky Kitchen“では計242本・約4万カナダドル(約355万円)分のボトルが押収された。
SMWSカナダ支部は「禁酒法まがいのガサ入れが我々と家族経営の零細バーを攻撃した(意訳)」とする非難の声明をTwitterで表明している。

この立ち入りの影響で、19日から21日にかけて開催されたヴィクトリア・ウイスキー・フェスティバルで行われる予定だったSMWSのセミナーは中止。同じく政府系の店では扱いが無いスプリングバンク蒸溜所と独立系ボトラー・ゴードン&マクファイルも、フェスティバルへの参加を見合わせている。

なおブリッティシュコロンビア州の政府当局者は、今回の件については「通常の業務なのでコメントしない」としている。

Whisky Seized in Prohibition Style Raids | Scotchwhisky.com
Scotch Whisky Seized In ‘Prohibition Raids’ By Canadian Government | Forbes

change.orgで政府当局に対する署名活動実施中。
“Free The Whisky(ウイスキー返して!)” | change.org

パリのウイスキー専門店より80万ドル分のスピリッツ強奪される

今月12日日曜日、フランスの有名老舗ウイスキー専門店ラ・メゾン・デュ・ウイスキー (La Maison du Whisky / LMdW) のパリ店舗に強盗が侵入、「軽井沢 1960 カスク#5627 “The Squirrel”」を含む、時価にしておよそ80万ドル相当のウイスキーが持ち去られる事件があった。
盗まれた軽井沢はわずか41本のみボトリングされたシングルカスクウイスキーで、それぞれに異なるデザインの根付が付属する。
“The Archer” と呼ばれる根付が付属する別の1本は、今年4月のオークションで10万100ポンド (4月のレートで約1,400万円) の値をつけている。

Thieves Make off with US$800k of Spirits | The Spirits Business