Fettercairn Distillery
スコットランド・アバディーンシャー、フェッターケアンに位置する蒸溜所。ハイランド地域に分類される。
“Fettercairn”はゲール語”Fothair Chàrdainn”からで、スコットランド議会発行の資料によれば”Chàrdainn”は「森」を意味するピクト語”carden”が転じたものだという。”Fothair”は「斜面」の意で、”Fettercairn”は「斜面上の森」と解釈される。
歴史
1824年 アレクサンダー・ラムゼイ(Sir Alexander Ramsay)により設立。
1830年 ジョン・グラッドストン(Sir John Gladstone / 英国首相を4度務めたウィリアム・ユワート・グラッドストンの父親)が蒸溜所を買収。
1850年 ジョン・グラッドストン死去。長男トーマス(Thomas)が後を継ぐ。
1887年 蒸溜所で爆発事故による火災が発生。修理のため蒸溜所一時閉鎖。
1890年 トーマス・グラッドストン死去。息子のジョンが引き継ぐ。蒸溜所再開。
1912年 蒸溜所運営会社を清算、ジョンが他の出資者達の持分を買い取り単独オーナーとなる。
1923年 蒸溜所はロス&コールター(Ross & Coulter)へ売却される。
1926年 蒸溜所閉鎖。
1939年 ASD(Associated Scottish Distilleries Ltd.)が蒸溜所を買収し、生産を再開する。
1954年 トム・スコット・サザーランド(Tom Scott Sutherland)が蒸溜所を購入。
1960年 蒸溜所でのモルティングを廃止。
1966年 スチルを2基から4基へ増設。
1971年 トミントール-グレンリベット(Tomintoul- Glenlivet Distillery Co. Ltd.)が蒸溜所を買収。
1973年 ホワイト&マッカイ(Whyte & Mackay Distillers Ltd.)がトミントール-グレンリベットを買収。
1989年 ビジターセンターを設置。
1990年 米アメリカン・ブランズ(American Brands、後のフォーチュン・ブランズ、現ビーム・サントリー)がホワイト&マッカイを買収。
1996年 アメリカン・ブランズ傘下のジム・ビーム・ブランズ(Jim Beam Brands)とホワイト&マッカイが合併しJBB Worldwideに名称変更。
2001年 MBOにより旧ホワイト&マッカイがJBBより独立。名称をキンダル・スピリッツ(Kyndal Spirits)に変更。
2002年 キンダル・スピリッツはホワイト&マッカイへ名称を戻す。
2007年 印ユナイテッド・スピリッツ(United Spirits Ltd.)がホワイト&マッカイを買収。
2014年 比エンペラドール(Emperador Distilleries)がホワイト&マッカイを買収。以後フェッターケアンはエンペラドール傘下にある。
ユニコーンの紋章
フェッターケアンは設立当初よりユニコーンのシンボルを用いているが、これはユニコーンがスコットランド王家の象徴であり、蒸溜所設立者アレクサンダーが属するラムゼイ氏族の紋章でもあることから。
生産
熟成に用いられる樽は大半がバーボンカスク。
アルコール生産能力は年間320万リットル。
蒸溜所公式サイト: thedalmore.com