Glen Albyn Distillery
スコットランド・ハイランド(行政区)、インヴァネスにかつて存在したモルト蒸溜所。ハイランド地域に分類される。1983年に最終的に閉鎖された。
歴史
1846年、当時インヴァネスの市長を務めたジェームズ・サザーランド(James Sutherland)により、廃墟となっていた醸造所の跡地に設立される。設計はチャールズ・ドイグ。蒸溜所完成の1847年から1852年までジェームズがライセンスを保持。
グレン・アルビンの当初の事業はうまく行かず、1849年に火災による一時生産停止に追い込まれるなどもあり、1855年には事業を停止、蒸溜所は売却先を探すことになる。
だが蒸溜所としての買い手はついに見つからず、1866年に蒸溜所は改装され製粉所として生まれ変わる。
1884年、グレゴリー社(Gregory & Co.)が蒸溜所を新築し、グレン・アルビンはウイスキー蒸溜所として復帰する。ただし、新築された蒸溜所が元のグレン・アルビンと同じ場所に建てられた物なのかは今日でははっきりとわかっていない。
新生グレン・アルビンは様々な設備を備えた当時最新鋭の蒸溜所で、鉄道へ接続する為の独自の線路まで備えていた。
第一次世界大戦末期の1917年から1919年まで生産を停止。この間海軍により機雷などの生産工場として利用されている。
1920年、ジョン・バーニー(John Birnie)がマッキンレー社と共同で蒸溜所を取得。ジョンは元々グレン・アルビンの支配人務めていた人物で、1892年に蒸溜所の株式取得をグレゴリー社に拒否された事から蒸溜所を去っていた。
ジョンはグレン・アルビンを去った後、グレン・モール蒸溜所を設立している。
1954年、フロアモルティングを廃止。グレン・モールと共にサラディンボックスを導入した初めての蒸溜所となる。
蒸溜所は1972年までマッキンレー・アンド・バーニー社が所有したが、ジョンの息子ウィリアムがDCL(現在のディアジオ)へ売却する。
その後グレン・アルビンは1980年代のスコッチ・ウイスキー不況を生き抜く事はできず、1983年に閉鎖された。
蒸溜所跡地は現在ショッピングモールとなっている。