GlenDronach Distillery
スコットランド・アバディーンシャー、フォーグに位置するモルト蒸溜所。ハイランド地域に分類される。
“Glendronach”は「木苺の谷(the vale of the brambles/blackberries)」の意だとする説が一般的で、この説には元となるゲール語が提示されていないが、恐らく”gleann droigheann”だと思われる。他に「イバラ(の多い)谷(the thorny vale)」を意味する”gleann droighneach”とする説もあり、こちらの方が発音の整合性はとれる。
歴史
1826年 ジェームズ・アラダイス(James Allardice)率いるコンソーシアムにより設立される。
1837年 蒸溜所の一部を焼失。
1842年 ジェームズ・アラダイス破産。
1852年 ティーニニック蒸溜所の支配人を勤めたウォルター・スコット(Walter Scott)が蒸溜所を取得し再建。
1887年 ウォルター・スコット死去。ジョン・サマービル(John Somerville & Co.)が蒸溜所を買収。
1916年 蒸溜所が英国政府の所有となる。
1920年 グレンフィディック蒸溜所を設立したウィリアム・グラントの末子チャールズ・グラント(Charles Grant)が蒸溜所を購入。
1960年 ウィリアム・ティーチャー・アンド・サンズ(William Teacher & Sons)が蒸溜所を買収。
1966年 スチルを2基から4基へ増設。
1976年 アライド・ブルワリーズ(Allied Breweries)がウィリアム・ティーチャーを買収。
1996年 蒸溜所閉鎖。
2002年5月 生産を再開。
2005年 加熱動力を石炭から蒸気へ切り替える為蒸溜所を一時閉鎖。グレンドロナックは石炭を使用するスコットランド最後の蒸溜所だった。9月に生産を再開。
同年アライド・ドメク(アライド・ブルワリーズの親会社)の買収に伴い、グレンドロナックは仏ペルノ・リカール傘下のシーバス・ブラザーズ(Chivas Brothers Holdings)所属となる。
2008年 ベンリアック・ディスティラリー・カンパニー(BenRiach Distillery Co.)により買収される。
2016年 ベンリアック社が米ブラウン・フォーマン(Brown Forman)により買収される。以後現在までグレンドロナックはブラウン・フォーマンの傘下にある。
生産
1826年の設立直後にロンドンで販売を行うなどして、最初期から名声を得ることに成功した数少ない蒸溜所。
近年ではベンリアック社傘下となった2008年以降に多数リリースしたシェリーカスクのシングル・カスク・ウイスキーの評価が高く、世界的な人気蒸溜所の1つとなっている。特に台湾での人気が高い。
また長くフロアモルティングを手掛けていたが、1996年の閉鎖時を最後に廃止されている。
現在のアルコール生産能力は年間140万リットル。
蒸溜所公式サイト: glendronachdistillery.com