カテゴリー別アーカイブ: ライ・ウイスキー

主原料にライ麦を使用したウイスキー。アメリカ合衆国の法律では51%以上がライ麦からなるマッシュから生産されたウイスキーを指し、他国で生産されるライ・ウイスキーも通常この規定に準ずる。Rye Whiskey

アサヒビール 「グレンドロナック 15年」他、輸入ウイスキー4点新発売

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source : asahibeer.co.jp

アサヒビールは新たに以下の4銘柄を輸入ウイスキーのラインナップに加える。

グレンドロナック 15年 リバイバル
2015年に休売となった後、英国では昨年秋より販売が再開されていたもの。オロロソシェリーカスクのみを使用した休売前のものとは樽構成が変更されており、オロロソシェリーに加えてPXシェリーカスクも使用されている。
アルコール度数46%、容量700ml、価格はオープン価格で参考小売価格税別10,800円。

ベンリアック 12年 シェリーウッド
こちらも数年間休売となっていたもので、グレンドロナックと同じく海外では昨年秋に販売が再開されていた。オロロソシェリーとPXシェリーカスク使用。
46%、700ml、オープン価格、参考小売価格税別6,300円。

ブッシュミルズ シングルモルト 12年
オロロソシェリーカスクとバーボンカスクでそれぞれ熟成させた原酒をヴァッティング、マルサラワインカスクでフィニッシュしたもの。
40%、700ml、オープン価格、参考小売価格税別4,500円。

ウッドフォード・リザーブ ライ
ウッドフォードリザーブが2015年より販売するライ・ウイスキー。マッシュビルのライ麦の使用比率が53%と一般的なライ・ウイスキーに比べて低くなっている。
アルコール度数45%、容量750ml、オープン価格、参考小売価格税別4,300円。

全て3月26日発売。

スコッチ、アイリッシュ、ライウイスキーの4アイテム 『グレンドロナック 15年』『ベンリアック 12年 シェリーウッド』 『ブッシュミルズ シングルモルト 12年』『ウッドフォードリザーブ ライ』 3月26日(火)に発売し、輸入ウイスキーポートフォリオを拡充 | アサヒビール

「ブッシュミルズ 12年」は蒸溜所限定で発売されているものと良く似たラベル・スペックですが、中身が同一の物なのか、また日本限定発売となるのか日本先行発売なのかは不明です。

2019年1-3月 国内リリース一覧

オールドフォレスター ライウイスキーをリリース

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source : oldforester.com

オールド・フォレスターよりライ・ウイスキー「オールド・フォレスター ライ(Old Forester Rye)」がリリースされる。

1940年に当時オールド・フォレスターの経営者だったオースリー・ブラウンが買収したライ・ウイスキー「ノルマンディー・ライ」のものを元にしたマッシュビルが用いられており、レシピはライ麦65%、モルト20%、コーン15%で、現在の一般的なライ・ウイスキーのマッシュビルに比べライ麦の比率は低くなっている。
オールド・フォレスターで新たなマッシュビルが導入されるのは、1870年の設立以来これが初めてだという。

アルコール度数は100プルーフ(50%)、希望小売価格US$22で来月2月より全米で発売される。

Old Forester Announces Debut of Rye, Their First New Mashbill in 150 Years | The Bourbon Review
Rye Whisky | Old Forester

キルベガン、初のライウイスキーを発売

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source : beamsuntory.com

キルベガンが、初のライ・ウイスキー「キルベガン スモール・バッチ・ライ(Kilbeggan Small Batch Rye)」を発売する。

ライ・ウイスキー人気が拡大する米国をターゲットにした商品で、原料のライ麦比率は30%、アルコール度数43%、容量750ml、価格US$34.99で、今月中旬より全米で販売が開始される。
アイルランドのウイスキー蒸溜所ではかつて盛んにライ麦が使用されていたものの、アイルランド独立戦争(1919-1921)の頃から使用されなくなっていたという。

Kilbeggan Distiling Company Introduce a New Style of Irish Whiskey Dating Nearly 100 Years in Kilbeggan® Small Batch Rye | Beam Suntory

ベイゼルヘイデン、ライとバーボンのブレンデッドウイスキーを発売

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source : beamsuntory.com

ベイゼル・ヘイデンより、2種のライ・ウイスキーと2種のバーボンをブレンドした「ベイゼル・ヘイデン トゥー・バイ・トゥー・ライ(Basil Hayden’s Two by Two Rye)」が限定発売される。
5年物のライ・ウイスキーと7年物のハイ・ライ・タイプ(ライ麦の使用比率の高い)のライ・ウイスキーに、6年物と13年物のバーボンを合わせたもので、ライ・ウイスキーのスパイシーさとバーボンの甘さを兼ね備えるとしている。
アルコール度数は80プルーフ(40%)、容量750ml、希望小売価格US$44.99で、今月より世界中へ出荷される。

Basil Hayden’s® Bourbon Releases Newest Limited-Edition Expression, Basil Hayden’s® Two by Two Rye | Beam Suntory

バルコンズ、10周年記念ライ・ウイスキー発売

米テキサス州・バルコンズ(バルコネズ)蒸溜所(Balcones Distilling)が今年で設立10周年を迎える。
同蒸溜所はこれを記念した限定ウイスキーを数種発売する予定で、まず第一弾としてライ・ウイスキー”Balcones Texas Rye“がリリースされる。
カスクストレングス(62.5% ABV)でボトリングされ、US$130前後で3月より販売が開始される。
またこれと同時に”Balcones Texas Rye 100 Proof”もリリースされ、こちらは限定では無く、新たな定番商品となる予定。

バルコンズでは今後ライ・ウイスキーの生産に注力する予定で、2018年第一四半期中には新たに1,000バレル程度のライ・ウイスキーを樽詰めしたいとしてる。

米国では近年ライ・ウイスキーの需要が急拡大している為、ライ・ウイスキーを増産する蒸溜所が相次いでいる。
また米国以外でもライ・ウイスキーを生産する蒸溜所は増加している。

Balcones Marks 10th Anniversary with Rye Release | The Spirits Business

Balcones Distilling (公式サイト)

アーバイキー蒸溜所よりライ・スピリッツリリース

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Source : scotchwhisky.com

スコットランド・ハイランド地方のファーム・ディスティラリー、アーバイキー(Arbikie Distillery)より、ライ・スピリッツが来年リリースされる。
アンモルテッド・ライ52%とモルテッド・バーレイ48%を原料に蒸留された原酒を、チャーしたアメリカンオークカスクで2年熟成させた物で、「スコッチ・ウイスキー」表示基準の1つである3年以上の熟成を満たさないために「スピリッツ」として販売される(アメリカの「ライ・ウイスキー」の基準は満たしている)。
度数48%でボトリングされ、£100で355本が販売される予定。

収益は全てALSなどの運動ニューロン病の治療法の研究を支援するEuan MacDonald Trustへ寄付される。

Arbikie Readies First Rye Spirit Release | Scotchwhisky.com

arbikie.com (蒸溜所公式サイト)

ベリーブロス&ラッド、米国への投資を拡大

英国のワイン&スピリッツ商、ベリーブラザーズ・アンド・ラッド(Berry Bros & Rudd)が、ライ・ウイスキー「オールド・ポトレロ(Old Potrero)」を所有する米アンカー・ディスティリング・カンパニー(Anchor Distilling Company)の持分を増加させると発表した。これに要する金額は非公表。

今年の8月にはサッポロホールディングスが、同じアンカーグループの醸造酒部門であったアンカー・ブリューイング・カンパニーの全持分を所得している。

Berry Bros Ups Stake in Anchor Distilling Company | The Spirits Business

フィンランド・キュロ蒸溜所が初のウイスキーをリリース

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Source : kyrodistillery.com

2014年にフィンランドで設立され、ライ麦のみを使用したスピリッツを生産するキュロ蒸溜所(Kyrö Distillery Company)より「キュロ シングル・モルト・ライ・ウイスキー(Kyrö Single Malt Rye Whisky)」がリリースされた。
ヴァージンアメリカンオークカスクで3年間熟成の後、ファーストフィルバーボンバレルで後熟、マルサラワインカスクでフィニッシュした物で、47.8% ABV、500ml、価格はUS$80前後で360本が出荷される。
同蒸溜所からはこれまでニューメイクスピリッツや熟成期間1年未満の物はリリースされていたが、スコットランドやアイルランドでの基準である3年以上熟成の「ウイスキー」の発売はこれが初めてとなる。

Finlands Kyrö Distillery Launches Rye Whisky | The Spirits Business

kyrodistillery.com (公式サイト)

スコットランドにライ・ウイスキー復活へ

昨年スコットランド・ファイフに設立され、2029年にシングルモルトウイスキーのリリースを目指すインチディアニー蒸溜所(InchDairnie Distillery)が、今月1日にモルテッド・ライ56%とモルテッド・バーレイ44%のマッシュを使用した蒸溜を行ったと発表した。
この原酒はヴァージンアメリカンオークカスクで熟成の後、ライ・ウイスキーとして(スコッチ・ウイスキーの区分上はシングルグレーンウイスキーとして)発売される予定で、これが同蒸溜所からの初のリリースになるということだ。

また、同じ週にアイラ島のブルックラディ蒸溜所でもライ麦を使用した蒸留が行われた。
こちらはモルティングを行なっていないライ麦55%とモルテッド・バーレイ45%のマッシュから蒸溜され、熟成にはヴァージンアメリカンオークカスクとファーストフィルバーボンバレルに加え、少量のヴァージンフレンチオークカスクも使用される。

スコットランドではライ麦を使用した商業レベルでの蒸溜は、連続式蒸溜器では100年以上、ポットスチルでは200年以上も行われていないそうだが、アメリカで近年ライ・ウイスキー市場が急拡大していることもあり、今後もライ・ウイスキーを生産する蒸溜所は増加するのではないかと思われる。

Scotch Set for a Rye Revival | Scotchwhisky.com

inchdairniedistillery.com (公式サイト)
bruichladdich.com (公式サイト)

リデンプション・ウイスキー、「エンシェント」レンジリリース

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Source : gobourbon.com

米リデンプション・ウイスキー(Redemption Whiskey)が「エンシェント(The Ancients)」レンジを発表、第1弾として”18 Year Old Rye”と”36 Year Old Bourbon”が発売される。
2本は共にJos. E. Seagram Lawrenceburg Plant(現MGP of Indiana)生産の原酒によるもの。
“18 Year Old Rye”は1998ヴィンテージ、110プルーフ(55% ABV)、750ml、RRP US$400で限定600本。
“36 Year Old Bourbon”は1978ヴィンテージ、48.8% ABV、750ml、RRP US$1,200で、熟成中に94%が蒸散してしまった為、僅か18本のみが販売される。

Redemption Whiskey Introduces Ancients | The Bourbon Review

ウッドフォード・リザーブ、蒸溜所限定ライ・ウイスキーリリース

ウッドフォード・リザーブ (Woodford Reserve) より蒸溜所限定シリーズとして新たに「French Oak Cask Finished Rye」が発売される。
43.2% ABV、375mlで、蒸溜所内ショップとケンタッキー州内の小売店で販売される。

Distillery Series | woodfordreserve.com

フェイクボトル「ダメ。ゼッタイ。」(Van Winkle)

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Source : oldripvanwinkle.com

オールド・リップ・ヴァン・ヴィンクルを傘下に持つバッファロー・トレースより、今月12日付でヴァン・ウィンクルのフェイクボトルに関するニュースリリースがありました。ここへ投稿するのを忘れていて時間が経ってしまったのですが、短いながら非常に興味深い内容ですので紹介しておきます。
ある種の宣戦布告とも取れるような題名の通り、ヴァン・ウィンクルはフェイクボトルの対策費として実際にこの1年間だけで50万ドルもの資金を投じており、また当局への捜査協力の結果、ニューヨークで偽造者の初の起訴に成功、加えて他の複数の捜査にも協力中であると明かしています。

Van Winkle Bourbon Takes Action against Counterfeiters (PDFファイルです) | buffalotracedistillery.com

対策の一方、消費者には必ず正規代理店から購入するように呼びかけてはいますが、そもそも生産数が非常に少ない為に二次流通市場においてRRP(希望小売価格)とはかけ離れた高値で取引され、それが偽造者達を呼び込む結果に繋がっている現状では、こういった呼びかけにどれほどの効果があるのかは不透明です。
捜査への協力なども、もちろん一定の抑止力にはなると思われますが、結局のところ需給のズレが解消されない限りは根本的な解決とはなり得ないので、残念ながら当面は偽造者達とのイタチごっこが続くのではないでしょうか。

日本では大手オークションサイトや人気フリマアプリなどで山崎18年や25年などの空瓶が「インテリア」などの名目で出品され、高値で取引されています。こういった「インテリア」の行き先がどこなのか、表面化する日も近いと予想します。

米国でライ・ウイスキー市場が急拡大

DISCUS (Distilled Spirits Council of the United States) によれば、米国内におけるライ・ウイスキーの売上数量は2009年から2016年にかけて778%、売上金額では約900%も増加し、2017年も二桁の成長が見込まれるという。
市場の急拡大を受けDISCUSはアメリカ国際貿易委員会 (United States International Trade Commission / USITC) に対し、輸出動向を把握する為ライ・ウイスキーにもバーボンと同様な独立した輸出コードの設定を要請、これは近く承認される見通しだ。

Rye Whiskey Volumes Up 778% in the US | thespiritsbusiness.com

現在米国からの輸出時に使用されるコード (HSコード・通称Schedule B) では、1コンテナ当たり4リットル未満のライ・ウイスキーには独自のコードが設定されているが、4リットル以上の場合にはなぜか「その他ウイスキー」としてシングル・モルトなどと一纏めにされる (当然ながらバーボンには両方の設定がある)。
これでは正確な輸出量の把握は難しいというわけで、上記の要請に繋がった。

サガモア蒸溜所よりライ・ウイスキー2種新発売

米メリーランド州ボルチモアのライ・ウイスキー蒸溜所、サガモア蒸溜所 (Sagamore Sprit Distillery) より以下の2種のボトルが新発売される。

Sagamore Sprit Double Oak Rye Whiskey
4年熟成のライ・ウイスキーをトーストしたウェーブスターヴバレル(側板の内側を波状に加工して表面積を増加させた樽)で4ヶ月追加熟成。RRP US$59.99。

Sagamore Sprit Moscatel Barrel Finished Rye Whiskey
4年熟成のライ・ウイスキーをスペイン産モスカテルワインのバレルで107〜110日間追加熟成。RRP US$79.99。

Sagamore Spirit to Launch Two New Rye Whiskeys | thespritsbusiness.com